Amazon購入のCNCキットの動作検証作業 その4
前回投稿
の続きです。
ステッピングモータードライバ(DRV8825)のマイクロステップ設定について
今回使用しているステッピングモータードライバDRV8825には入力パルスと出力するパルス(ステッピングモーターへのパルス)の比率(1/1、1/2、1/4、1/8、1/16、1/32のいずれか)を指定できる(マイクロステップ設定)機能が提供されています。
設定の仕方はCNCシールド上の各ドライバ接続コネクタの間にあるジャンパーMODE0、MODE1、MODE2の3つで行います。
DRV8825に接続しているステッピングモーターにステップ角度が 1.8 deg を使った場合のジャンパー(MODE0,1,2)の状態とマイクロステップ設定値(比率)とステッピングモーターのステップ角度を表にまとめてみました。
MODE0 | MODE1 | MODE2 | 比率 | ステップ角度 (deg) |
360度のステップ数 |
オープン | オープン | オープン | 1/1 | 1.8 / 1 = 1.8 | 200 |
ショート | オープン | オープン | 1/2 | 1.8 / 2 = 0.9 | 400 |
オープン | ショート | オープン | 1/4 | 1.8 / 4 = 0.45 | 800 |
ショート | ショート | オープン | 1/8 | 1.8 / 8 = 0.225 | 1600 |
オープン | オープン | ショート | 1/16 | 1.8 / 16 = 0.1125 | 3200 |
ショート | ショート | ショート | 1/32 | 1.8 / 32 = 0.05625 | 6400 |
今回は MODE0:ショート MODE1:ショート MODE2:オープン の比率 1/16 で使用することにします。
GrblコマンドとGrblで扱えるG-CODEについて
Grblは Grblへのパラメータ設定用や状態確認等用のコマンドが用意されています。また、 Grbl で扱うことができる G-CODE も決められています。
本家のサイトでは英語で説明されています。
Grblのパラメータ設定用や状態確認等用のコマンド:
Grbl で扱うことができる G-CODE:
ネットで調べると Grbl について日本語で説明されているサイトがたくさん見つかりますが、次のサイトが非常に役に立ちました。ありがとうございます。Grblのコマンドや設定、G-CODEだけでなく CNCに有益な情報がたくさんです。
使用環境に合わせたGrblの設定について
実際に動くステッピングモーターがパルス(PULSE)と回転方向(DIR)でちゃんとCADで作成した寸法通りに動くように Grbl に設定する値の算出方法を整理してみたいと思います。
使用するステッピングモーターやメカ機構(ボールスクリュー等)の仕様に合わせて Grbl のパラメータ step/mm を各軸毎に決める必要があります。
今回は筐体(メカ機構)はないので次の条件で計算手順を書いておきます。3.の値は仮定となります。
【条件】
1. | ステッピングモーターのステップ角度 | : | 1.8 deg |
2. | ステッピングモータードライバ(DRV8825)のマイクロステップ設定値 | : | 1/16 step |
3. | 3軸(XYZ)の送りネジの1回転で進む量 | : | 1 mm |
上記の条件での step/mm 値は
ステッピングモーターのステップ角度が
1.8 deg
なのでステッピングモーターが1回転するステップ数は
360 / 1.8 = 200 steps
ドライバのマイクロステップ設定値が 1/16 step なので
ステッピングモーターが1回転するステップ数は
200 x 16 = 3200 steps
1回転で送りネジが1mm進むので1mm進めるステップ値は
3200 / 1mm = 3200 steps/mm
となる。
よって、Grbl の step/mm 設定コマンドは
$100=3200 ; X軸
$101=3200 ; Y軸
$102=3200 ; Z軸
として設定することにします。
今回はここまで。